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1、永住許可申請が不許可になった場合の再申請と不許可理由の確認

永住許可申請をご自分で申請した場合、申請が不許可になる理由が大きく2つあります。

  1. そもそも許可要件を満たしていないこと
  2. 申請書類の不備、不足、誤解を生む表現

それぞれ見ていきましょう。

1-1.そもそも許可要件を満たしていないこと

ネットや知り合いからの情報をもとに、永住申請が許可になる要件を調べて申請した場合によく起こるケースです。

永住申請は、申請する人によって許可を取得するための要件が異なります。また、要件や提出書類は頻繁に変更されるので、情報を教えてくれた方が許可を取得したからと言って、あなたが要件を満たしているとは限りません。以前、兄弟で同時に申請して1人しか許可が取得できないというケースもありました。同じような生活を送っていても、入管における審査は個別具体的で、家族構成や年金・税金の支払い状況に至るまで、詳細に調べ上げて審査を行っています。この場合には専門家に再申請を依頼しても、すぐに許可を取得することは不可能です。まずは不許可理由が何であったかを入管で確認し、将来どうすれば永住者ビザを取得できるかを把握することが必要です。

1-2.申請書類の不備、不足、誤解を生む表現

書類上の不備が原因で不許可になった場合には、再申請して許可を取得できる可能性はあります。まずは不許可理由を調査して、あなたがどのような理由で今回不許可になってしまったかを客観的に理解することが再申請へのスタートとなります。

2、永住許可申請が不許可となる主な理由

ここでは永住許可申請が不許可となる主な理由について説明します。

  1. 世帯年収が300万円に満たない
  2. 申請理由書の書き方が悪い
  3. 海外出張が多い
  4. 国民健康保険、年金、税金の未納・納付遅れ
  5. 扶養人数が多すぎる
  6. その他

それぞれ見ていきましょう。

2-1.世帯年収が300万円に満たない

この300万円という年収は過去5何年遡って全ての年で満たしている必要です。また、この世帯年収ではご家族の収入が含まれる場合と含まれない場合があるのをご存知でしょうか?基本的には就労活動が認められない在留資格を持っている方の年収は含めることはできません。例えば家族滞在の奥様のアルバイト収入は含まれないということです。また、扶養するご家族がいる場合には、300万円では足りません。扶養する人数が増えるごとに70万~80万円程度の上乗せが必要となります。

2-2.申請理由書の書き方が悪い

永住申請をする際に必要となる「申請理由書」の書き方が悪いために不許可となることがあります。

永住申請をするための申請理由を書いたことがある方の方が少ないのではないでしょうか?普通は初めて書くことになるので、ネットに掲載されている文面を参考にしながら作成するかと思います。

ただし、ネットに掲載されている申請理由書は、当たり障りなく誰にでもあてはまるような一般的な記載しかされていません。つまり、あなたのために書かれた理由書ではないので、あなたに必要な記載がない可能性があります。

また、申請書類全体として矛盾が生じる記載があると、その矛盾を審査官は決して見逃しません。理由書に不要な記載をしたがために矛盾が生じ、不許可になってしまうというこも起こり得ます。

永住許可申請理由書の作成は、ある程度テクニカルな要素が必要で、盛り込まなければならない情報があります。許可の可能性をできる限り上げるためには、ビザの専門家へ依頼するということも大切な選択肢の一つです。

2-3.海外出張が多い

こちらはあまり意識されていない方が多いかと思います。

永住許可取得のためには居住要件というものがあり、あまり日本に住んでいない方に永住許可は与えませんよ、ということになっているのですね。具体的には連続して3カ月以上、1年間に合計で100日以上日本から出国している場合には、永住申請をしても許可されない可能性が非常に高いです。

2-4.国民健康保険、年金、税金の不払・未納

このあたりの未払いや未納について、永住申請においては非常に厳しく審査されます。不払いや未納がある場合、永住の許可がされることはありません。また、未払や未納がなくても、納期限に遅れてまとめて支払ったり納めた場合にも許可がされることはないとお考え下さい。

2-5.扶養人数が多すぎる

扶養家族が多ければ多いほど税金が安くなることから、本国に在住の方を扶養に入れているケースがあります。もちろん、本当に扶養に入れる必要がある方については問題ありません。問題となるのは、本国で働いていたり、本来扶養に入れる必要がない方を扶養に入れているケースです。

2-6.その他

上記のような理由で不許可になることが多いですが、これら以外にも次のような理由で不許可になる方も少なくありません。かんたんに説明します。

  1. 軽微な交通違反が多い:過去5年で5回、直近2年で2回を超えた違反
  2. 在日年数が足りない:申請時点で10年を満たさない
  3. 身元保証人が不適切:日本人・永住者以外の方が身元保証人である
  4. 3年以上の在留資格がない:1年の在留資格で申請してしまう

これら以外にも細かい要件が永住申請にはあり、その1つでも満たさない場合には許可は下りません。また、法務省のホームページに掲載されている提出書類は、必要最低限のものです。記載してある書類だけ提出して不許可になる方も多くおりますので、ご注意ください。

3、永住ビザの再申請

3-1.永住ビザの不許可理由を把握

永住ビザ申請が不許可になった場合でも,再申請することは可能です。
一度不許可になったからといって諦める必要はありません。

永住ビザの再申請をするにあたって最も重要なことは,不許可の理由を知ることです。

永住ビザ申請の不許可の理由は,以下の2つの方法で知ることができます。

  • 不許可の場合に入管から送られてくる不許可通知書
  • 永住ビザ申請をした入管へ不許可理由を確認

3-2.永住ビザの再申請における行政書士の役割

上記のとおり,永住ビザが不許可になった場合,最も重要なことは不許可の理由を知ることです。

永住ビザの不許可理由を知る方法は前述の通りですが,実際に申請したご本人が不許可理由を正確に理解することはとても難しいものです。
というのも,不許可通知書には「出入国管理及び難民認定法第22条第2項第2号に適合するとは認められません。」などと記載されているため,一般の方には何のことを言っているのかさっぱりわからないからです。

不許可理由を入管に直接聞きに行くことも可能ですが,不許可理由は基本的に1回しか聞きに行くことができません。
そして,入管担当者が必ずしも詳しく不許可理由を教えてくれるとは限りません。
そのため,入管担当者から不許可理由を説明されたとしても,再申請に向けて何をどのように準備したらよいかは判断がつきにくいのです。

この点,永住ビザを申請したご本人に行政書士が同行し,直接入管担当者から不許可理由を聞くことが認められています。
審査の要点や実務基準を熟知した行政書士が入管担当者とやり取りをすることで,多くの情報を引き出すだけでなく,再申請に向けてのポイントを正確に掴むことが可能になります。
行政書士と一緒に不許可の理由を把握することは,再申請に向けて大きな一歩と言えます。

永住ビザ申請の不許可理由を確認した後は,永住ビザの再申請に向けて準備を進めていきます。

永住ビザ申請は,不許可から再申請まで一定期間を空けなければならないというルールはありません。
また,再申請そのものが入管から不利益に扱われるということもありません。

しかし,不許可理由となった事実が改善しない状態では,何度再申請しても結果は変わりません。
また,不許可となった事実が改善している場合でも,そのことを入管側に立証できなければ,やはり同じ結果となってしまいます。

では,どのようにして永住ビザの再申請をするのが良いのでしょうか。

3-3.永住ビザの再申請の方法

まず,不許可理由を把握したうえで,不許可理由をすぐに改善できない状況であれば,改善できるまで待ってから再申請に臨むことになります。
なぜなら,闇雲に申請しても,不許可理由が改善しない限り永住ビザの許可を得ることはできないからです。

次に,不許可理由が改善できたのであれば,理由書と立証資料を準備して,永住ビザの再申請を行います。
もっとも,一度不許可とされた事実について,その改善を入管に正確に伝えることは簡単なことではありませんが,不許可理由が改善していることを積極的,かつ的確にアピールすることが重要です。

永住ビザの再申請にあたっては,不許可理由の改善とその立証の2点がカギになります。

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