技能実習 介護
①特定技能介護を受け入れる方式
特定技能は、深刻化する人手不足の中で、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れる制度です。介護以外にも農業、建設など14分野あります。
対象となる外国人は、介護技能評価試験と2つの日本語試験に合格した上で入国し、介護事業所で最大5年間受け入れすることができます。5年後は帰国となりますが、介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留資格「介護」に変更して、永続的に働くことができます。
②外国人技能実習生を受け入れる方式
次に、介護職の外国人技能実習生の受け入れは、以下の2つの方式があります。
①企業単独型…日本国内の企業など、実習実施者が海外の現地法人や合弁企業、取引先企業についての外国人材を受け入れ、技能実習をおこなう方式。
②団体監理型…事業協同組合のほか商工会などの営利を目的としない監理団体において外国人技能実習生を受け入れ、技能実習を実施する方式。
なお、現状外国人技能実習生の受け入れの多くは団体監理型となっています。
日本語能力の要件ついて
介護職の技能実習生は、技能を修得の際の指導や介護施設の利用者らとコミュニケーションを図るため、一定水準以上の日本語能力を有することが必要です。このため、1号技能実習生および第2号技能実習生は以下のような日本語能力にする要件を満たしていなければなりません。
第1号技能実習 | 日本語能力試験N4への合格か、同等以上の能力を有すること |
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第2号技能実習 | 日本語能力試験N3への合格か、同等以上の能力を有すること |
※上記の日本語能力試験は日本語を母語としない人の日本語能力を認定する語学検定試験で、このうちN3は日常的な場面における日本語が理解できる程度、N4は幅広い場面において用いられる日本語が理解できる程度となります。
職歴の要件ついて
職歴については同等業務従事経験とも呼ばれることもあり、団体監理型の技能実習では日本で従事する業務と同種の業務に外国で従事したことがあるか、あるいは技能実習に従事する特別な事情があるか否かが要件となります。なお、一例として次のような場合が該当します。
- ・外国の介護施設や居宅などで高齢、あるいは障害者の日常生活における世話や機能訓練、療養のための世話などをおこなった経験があること
- ・外国において看護課程を修了しているか看護師資格を有していること
- ・外国政府によって介護士認定などを受けていること
③介護分野の外国人技能実習生は在留資格を「技能実習」から「特定技能」へ移行できる。
在留期間
許可されている在留期間についても技能実習制度と特定技能制度は異なります。このうち技能実習は最長で5年間の実施ですが、特定技能であれば1号では通算5年、さらに2号であれば在留期間の上限が撤廃されます
つまり特定技能制度を利用すれば、より長期間外国人を雇用できることになります。
方法
実際の技能実習から特定技能への切り替えについては、まず国内外で実施される試験に合格しなければなりません。そのうえで地方出入国在留管理局へ移行のための申請と書類の提出が必要です。またこの審査の期間はおよそ1~2か月となります。そして、審査に通過すると「特定技能1号」の在留資格認定証明書が発行され、技能実習から特定技能への移行が完了します。
試験内容
上記技能実習から特定技能への切り替えにおける介護分野の試験内容については以下のとおりとなります。
介護技能評価試験 | 60分/全45問 |
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介護日本語評価試験 | 30分/全15問 |
ただし、以下いずれかの条件を満たしていれば、移行に必要な技能試験と日本語試験が免除されます。
- ・介護分野における第2号技能実習の修了
- ・介護福祉士養成施設を修了
- ・EPA介護福祉士候補者での在留期間4年間を満了
参考までに(令和6年 3月25日 令和6年2月介護技能評価試験・介護日本語評価試験の試験結果を掲載しました。[1.8MB])
令和6年2月 介護技能評価試験・介護日本語評価試験(ミャンマー)
○ 試験結果
受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
介護技能評価試験 1,186 1,138 96.0
介護日本語評価試験 1,535 1,311 85.4
2月 介護技能評価試験・介護日本語評価試験(インドネシア)
○ 試験結果
受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
介護技能評価試験 782 673 86.1
介護日本語評価試験 1,057 764 72.3